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京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻 寄付講座 発達障害支援医学講座

講座について

寄附講座の概要                                                                                                                    (本講座は令和元年9月30日をもって終了しており、現在本講座を前身としたASD Project を展開しております。)

本講座の主な目的は次の3点である。第1に、発達障害者の認知・行動上の特徴を生み出している精神生理学的特性を、臨床認知科学の手法等を用いて明らかにするとともに、得られた結果をもとに各種リハビリテーション・介入技法の妥当性と適用性を明確にしてゆく。第2の目的は、啓蒙と高度人材育成による社会貢献である。第3に、第1の研究活動および第2の高度人材育成事業を通じて、発達障害の精神保健に関わる研究者および高度な専門性を有する医療専門職の養成に貢献する。

1.研究

発達障害者の社会的不適応の原因であるコミュニケーションの困難や感情・表情に対する認知処理の障害が発生するメカニズム、および二次障害(不安、うつ症状、対人恐怖、被害念慮など)の発症と密接に関連するストレス特性やトラウマ(心的外傷)反応について臨床認知科学ないし精神生理学の手法を用いて解明を進める。得られた知見をもとに発達障害者のリハビリテーションや支援において重要となる基本原則を検討し、既存の介入方法論に対する特徴づけ(適用、禁忌、注意事項等について)を行うことにより、エビデンスに基づく臨床的介入の基盤づくりを行う

2.社会貢献

研修事業・ケース検討事業等を実施することにより、関係諸機関*へ情報発信するとともに、高度な専門人材育成を促進する。これらの活動を通じて、関係者が発達障害に関する専門的知識を習得し、各現場においてより適切な介入・支援が可能となるようにする(* 病院・診療所、発達障害者支援センター、児童福祉機関、障害者職業センター、大学の学生支援部、教育委員会の特別支援課、家庭・保育課、福祉行政担当部局、法務行政担当部局、家庭裁判所など)。
また、発達障害に関する公開講座等の事業を通じて、専門職以外の一般市民に対する啓蒙をはかる。

3.研究者および医療専門職の養成

本講座の研究活動および研修事業に当専攻の院生が参加あるいは協力できる体制をとることにより、発達障害者の精神保健に関する研究者および高度な専門性を有する医療職の養成に寄与する。また、本講座のスタッフが感情やコミュニケーションに関する臨床認知科学や発達障害の精神保健に関する講義を分担することにより、学部学生・院生に対する教育を行う。

 

教員・スタッフ

魚野翔太 特定准教授 専門領域:実験心理学、認知発達心理学、認知神経科学

義村さや香 特定助教 専門領域:児童精神医学、一般精神医学、司法精神医学

横山絵美 教務補佐員

 

以前のスタッフ

佐藤弥 特定准教授(現京都大学こころの未来研究センター 特定准教授)

趙朔 特定研究員(現特定非営利活動法人神経発達症研究機構 研究員)

 

寄附企業

全国建設組合連合運営協議会、株式会社広域総合事務支援センター、株式会社オフィス・トリプルワン・セブン ほか1社