京都大学

お問い合わせ

京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻 寄付講座 発達障害支援医学講座

インフォメーション

2023.4.10

京都大学大学院医学研究科 履修証明プログラム 「発達症への介入による国民的健康課題の解決」について

自閉スペクトラム症(ASD)をはじめとする発達症(発達障害)は、現在、医療、教育、子育て、就労、福祉など広範な領域で欠かすことのできないキーワードとなっており、各領域にとって重要な取り組みの対象となっています。
しかしながら、精神保健の基礎知識を有し、発達症の人が抱える問題に精通した専門家はまだ少ないのが現状です。
また、当事者の年齢(ライフステージ)、家族の状況、抱える問題の性質も多種多様なため、多職種を交えた関係者・関係機関との連携を必要とすることが少なくないにも関わらず、そのような視点に立った支援・介入について系統的に学ぶことのできる教育機関はごく僅かにとどまります。

このプログラムでは、本学の半世紀以上にわたるASDへの取り組みを生かし、ASDについての教科書的理解やマニュアル化された介入技法にとどまらず、ASDの人がどのような心身機能の特徴(すなわち精神生理)を有し、自分をとりまく状況をどのように体験しているか(すなわち精神病理)を深く理解した高度専門医療人材の養成を図ります。
本プログラムを通じた人材の輩出が広く我が国のメンタルヘルスの向上につながることを願って関係者一同、取り組んでまいる所存です。

実行委員長

京都大学大学院医学研究科 人間健康科学系専攻
作業療法学講座 准教授
義村 さや香

 

発達症への介入による国民的健康課題の解決

プログラムの概要

「発達症への介入による国民的健康課題の解決」は京都大学大学院医学研究科履修証明 プログラムとして 2023 年度より開講します。120 時間の履修修了生には本学から学校教 育法第 105 条の規定に基づく履修証明書を交付します。

本教育プログラムは、ASD について系統的かつ実務に即して学ぶプログラムです。講義 と参加体験型実習、および事例分析論文により、メンタルヘルスの問題の背景にある ASD の的確な診断・見立て、および特徴的な精神生理への理解、ライフステージを通じて生じ る課題と問題に対して適切に対応し得る ASD の高度専門支援者を育成し、メンタルヘル スにおける国民的健康課題の解決に寄与することをめざします。

2023年度科目表 2023年度シラバス

プログラムの目的

本プログラムでは、医師、歯科医師、看護師、薬剤師、理学療法士、作業療法士、精神 保健福祉士、臨床心理士、公認心理師、保健師、言語聴覚士、養護教諭、ソーシャルワー カーなどの医療者と養護教諭などの医療関連職、教育関連職を対象として、ASD に関する 医学と精神保健の基礎知識をもち、保育、教育、就労、社会生活などライフステージで生 じる問題と課題の多様性に応じた介入法を柔軟に選択して解決の方向性を見出すことので きる人材の養成を推進することが本プログラムの目的です。

さらに、履修期間中・修了後を通して履修者の相互および修了生・関連分野の専門家に よるネットワークの構築をめざします。

履修生の受け入れについて

当プログラムはメンタルヘルスの問題の背景にある ASD の的確な診断、および ASD の 特徴的な精神生理への理解、並びに保育、教育、就労、社会生活などライフステージを通 じて生じる課題と問題に対して適切に対応し得る高度専門支援者の育成をめざします。

従って、医師、歯科医師、看護師、薬剤師、理学療法士、作業療法士、精神保健福祉士、 歯科衛生士、臨床心理士、公認心理師、保健師、言語聴覚士、養護教諭、ソーシャルワー カーなどの医療者・医療関連職、教育関連職等、ASD のある方と関わる経験を有すること が望ましいです。

また、履修生の選抜においては、出願書類として提出される履歴書(職務経歴書)、志 望理由書より申請者の現職での取り組み、課題意識、情熱、履修中・修了後の活動ビジョ ン・履修に対する職場の理解の状況を主な判断材料とします。また、所属機関や職種にで きる限り偏りがないように選抜を行います。

プログラムの修了要件

本プログラムで実施される 120 時間全ての履修および講義ごとに実施される試験とレポ ート課題、並びに事例分析論文の作成とその面接と口頭試問のすべてに合格することです。

・講義:講義一回あたり 1 時間とする系統的講義を 1 年時に 54 時間、2 年次に 40 時間、 計 94 時間を開講します。

・参加体験型実習:ASD の診断と評価、および専門的支援の実際と思考法について学ぶた めに、実習 1 回あたり平日の半日(3 時間)、または1日間(8 時間)として設定する参加体 験型実習を、1 年次に 3 回(半日×2 回と1日×1 回の計 14 時間)、2年時に 4 回(半日×4 回の計 12 時間)にわけて開講します。

※本プログラムは文部科学省選定事業として平成 30 年度大学教育再生戦略推進費の補助 を受けてまいりましたが、令和 5 年度より京都大学大学院医学研究科が自立して行う事業となります。

現在新ホームページ作成中の為ASD projectの前身である寄附講座のホームページに情報を記載しております。

(リニューアルオープンは5月下旬予定)

ASD project旧ホームページに活動記録がございます。※4月中に閉鎖予定

 

 

« 一覧へ戻る